コラム93 水辺には魅力テーマが豊富(その4)

<朱赤の橋>  2023年9月1日  五十嵐吉彦

今日で9月に入ったが、まだまだ太陽が輝き暑い日が続いている。でもこの太陽の光と水で我々動物も植物も生命の恩恵にあずかっている。この時期は少し暑くても、いつも変わらず降り注ぐ太陽の光に感謝して、もう少し我慢しよう。ただ太陽も雨もいつもより急に多く降り注いでもよくないし、少なすぎてもよくない。振れの範囲を最小限にお願いしたいものだ。

太陽の光を子供たちに描かせると、日本人の子供たちは真っ赤な日の丸を描く子供が多いと言うが、欧州の子供たちは黄色い太陽を描くと言われる。どちらも間違いではない。過去のコラムで書いているが太陽の光は限りなく白である。光の3原色は赤・緑・青の3色で混ぜると白となり、人間が見える光の色(可視光線)は虹が出た時に見える赤・橙・黄・緑・青・藍・紫だ。この光の電磁波が大気の層に反射し波長によって昼と夕方では色の見え方が異なる。夕方の太陽が赤く見えるのも赤系統の波長が長いせいだ。

赤い色は前にも述べたが危険・注意の赤から、太陽、生命等の神聖なイメージの赤もあり巾が広い。神社仏閣に古来、本殿や鳥居や橋には赤を使っている所が多いのも、その悪霊、災厄を払う力があるとの由来からだろう。スケッチをしていて、赤色をよく観察すると、鳥居や本殿の柱などは、真っ赤(深紅)と言うより、やや心温かいオレンジ系の朱赤が多いと思う。代表例では春日大社や平安神宮は朱赤で神聖な心が込められた朱赤だと思う。

下の作品は、先月8月に横浜の金沢文庫にある称名寺の現地で描いた。暑い日であったが 風がとても爽やかで気持ちよく描けた。ここに赤い反橋があるが、やはり朱赤のオレンジ系の色の橋であった。描く時、緑の中の朱赤の程度、また風が吹く程度によって朱赤の色が水面に綺麗に映ったり、少し滲みながら映ったりしているのをどの程度に描くかを考えた。

水辺には魅力テーマが豊富4

*今回暑い中で描いたが、対象をよく眺め、考え、集中して描いている時が心地よい。この描く事の継続が心身にもいいのかなと思う。

*この作品を描いた場所の反対側から黄菖蒲が咲く5月に描いた作品はこのHPトップページに掲載した。


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