コラム90 黄金比と白銀比

2023年6月1日  五十嵐吉彦

このコラムも90回を迎えた。90回を迎えた節目でもあり、画面比率の黄金比と白銀比について少し述べてみよう。黄金比も白銀比も共に人間にとって最もバランスが取れ、美しく、安定感を感じる比率と言われ、黄金比は1:1.6、白銀比は1:1.4(1:√2)の比率となっている。黄金比(黄金分割)で有名なのはギリシャのパルテノン神殿やミロのヴィーナス、レオナルド ダ・ビンチの描いたモナリザの顔、自然の世界ではオウム貝などで、広く知られていると思うが、白銀比については、建築やデザイン関連以外の方々にはあまり知られていないのではないかと思う。

実は、この「白銀比」は法隆寺や法隆寺五重塔、銀閣寺、東京スカイツリー、そして我々が使用するF4スケッチブック、国際標準規格のA4サイズ用紙(A4、A3等のAシリーズ)、またBシリーズ用紙もそうであり、伝統的に日本人好みの比率であり「大和比」とも呼ばれているのである。ビジネスや一般に使用されている国際標準規格のAサイズシリーズ用紙が黄金比ではなく、日本人好みの白銀比が採用されているところが面白いと思う。我々はこの白銀比(大和比)のF4サイズの画面に、どういう構図、狙いで作品を創るかが、大変楽しいところだ。

もちろん絵画や写真のARTの世界では作品サイズは自由であるが、屋外主体で描く水彩&ペン彩スケッチ分野では携帯に便利で、スピーディに描きやすく、白銀比でもある F4サイズが最適と思って基準としている。さあ、真っ白で美しい白銀比のF4サイズスケッチブックで水彩・ペン彩スケッチを描き、鑑賞し大いに楽しもう。

  

神田明神

*左の作品は神田明神のペン彩画による現場でのスピードスケッチ。(彩色もスピーディにして、途中で終えた) F4サイズ(画面比率は白銀比の1:1.4)

*神田明神の全体を入れた作品は小生HPのトップページに掲載している。


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