(コラム75)

「線+色+光の魅力」D 2022年3月1日 五十嵐吉彦

<冬の寒い時は花・静物を描く>

小生が描く水彩・ペン彩スケッチ画は主として屋外での風景が主体であるが、冬の寒い時期には室内で花や静物を描く。とは言っても年間を通じて描くのは風景水彩スケッチが約75%で、花・静物・人物等の水彩スケッチが25%程度だろうか。今月の3月には五十嵐教室関連や水陽会グループ展が多く開催され、これらの展示会への小生賛助出品はどうしても風景スケッチ画が多くなっているが、花も描いて居り、未発表の花の作品が多い。
*(今月3月開催の各展示会案内はこのHPのWhat's Newに掲載。
  尚各展示会終了時間は17:30⇒16:30と1時間繰上げているのでご案内します。
  最終日16:00と変わらず)

花を描くのは自然が創った花びらの形や、色彩などが美しく、神秘であり、絵になる花は心を込めて描きたくなる。今の時期に描く花で多いのは形がよく、色味がある花のセネッティ、サイネリア、シクラメンなどをよく描く。今咲きつつあるクリスマスローズもよい。 セネッティもサイネリアも花の色の種類が豊富であるが、今年は紫系の花を描いた。花の色の場合、発色と言うより花が光に反射して見える特有の色素をもっていて、その色素が光源によって色が変わる。下記に掲載したセネッティは、紫系の花であるが、太陽光で見れば赤系の紫(赤紫)で、蛍光灯で見れば青系の紫(ミネラルバイオレット)、電燈光で見れば深い赤紫(マゼンタ)に変わるのがはっきりわかる。描いた作品も光源によってかなり色が変わり、印象も変わる。

通常の透明水彩画分野で描かれる花は水たっぷりで、にじみ・ぼかし技法をつかって全体に柔らかい作品をつくるが、小生の水彩・ペン彩スケッチ画は花と言えども形をとる線を大切にし、柔らかいところは柔らかく、強いところは強く描く。描き方はそれぞれに好みがあるが、小生はしっかり形をとることで観察力を高め、メリハリ感のある輝きの作品を創りだす。小生の花の作品はたまに個展や水陽・青葉会展に出品する程度であり、未発表作品が溜まっていくが、皆様と共にまた来年の冬も元気に描いていきたい。

いつも輝いて(花・セネッティ) F4/縦
セネッティの花言葉は快活、希望、常に輝かしくとなっている。これは寒い時期でも元気に咲き誇る様子から来ているらしい。このコラムを読んで頂いている方々、又共に水彩スケッチを描いている皆様が、この作品をご覧になり、少しでも輝き感や、希望を感じて頂いたならば嬉しく思う。

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