(コラム71)
「色・光+線の魅力」A 五十嵐吉彦 <2021.11.1>暑かった日々も急に冷え込み11月に入った。またコロナ禍もようやく落ち着いてきたので充分安全対策を取った上での外出であれば、秋のすばらしい風景が描ける。先月は近くの横浜の風景を主にスケッチした。久々の港や水辺の雰囲気、そして光、爽やかな空気が満喫できた。下記の黄色の船の作品は水彩スケッチの仲間と共に通称「象の鼻パーク」で描いた。ここは昔は西波止場と呼んでいて船が乱雑に並んでいたが、いまは綺麗に整備されてその面影がない。ただ、構図に工夫すればどこでも絵にはなる。今回は黄色の警戒船が止まっていたので近くから描いた。この日は急に寒くなり、霧雨の曇りであったが、後半薄日が出たところを描いた。船の形をペンの線でシャープにメリハリをつけ、透明水彩でトーンを生かして描いている。 今月11月中旬には横浜で「日本ペン彩画会展」が開催され、下旬には東京・京橋で小生の個展「五十嵐吉彦・水彩スケッチ画会展」を開催します。共にペンの線+透明水彩=ペン彩画の世界の展示会であり、ペンの線と透明水彩による世界の作品が展示される。小生の個展は昨年開催予定がコロナ禍で1年延期し、今月末の11/22〜11/28に東京・京橋の「ギャラリークボタ」にて行います。今回の展示作品はコロナ禍が始まる前年に行った世界遺産の街・イタリア中部の歴史風景、並びに国内の四季の風景、船のある水辺風景、そして普段発表していない花を描いた作品を含め約70点出品します。 尚、線を生かした絵画は日本人には馴染みがある。日本古来の版画や日本画は線を生かした絵画であり、最近では日本が得意とするアニメの世界もそうである。また建築家の方々や、種々設計に携わった方々は線を好まれる。したがってペン彩画は日本人には馴染みやすい。ただ、版画やイラストの世界ではペンの線自体にはあまり強弱はつけないが、小生が描く「ペン彩スケッチ画」ではペンの線に強弱をつける。これは、スケッチするペンの線の段階で、遠近感、スピード感、即ち現場で描く臨場感を生かし、加えて透明水彩で明度差も出している。 さあ、これから秋のスケッチや展覧会鑑賞シーズンです。どうぞ「水彩・ペン彩スケッチ画」をご高覧下さい。 *左は横浜「象の鼻パーク」で描いた作品。サイズF4。
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