(コラム62)
色の雑談 「紫(Purple)」
(五十嵐吉彦 2021年2月1日)
人間が見える光の色は可視光線であり、虹の7色と言われ「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」が見える。このコラム・色の雑談では寒色系の緑・青、暖色系の赤・橙、そして黄色について述べてきたが、今回は虹の7色の中で書いていない「紫(Purple)」について少し述べてみよう。
「紫(Purple)」は可視光線の中では光の波長が最も短い。この紫色は絵具では赤と青を混ぜると紫色となる。この紫色はパープル(Purple)とバイオレット(Violet)の基本表現があるがPurpleは赤紫系の色であり、Violetは青紫系の色と言われる。
英国などの水彩絵具メーカーの紫色のネーミングはバイオレット、モーブ(Mauve)が多く、パープルの名前の絵具が少ない。まあ紫系の色は赤と青の混色で種々の紫色が出せ表現できるので、風景スケッチの場合、紫の絵具がパレットになくても不自由はしない。小生の場合、紫色は主としてウルトラマリンとアザリンクリムソンとの混色でつくっている。ただ、紫色の花を描く場合は紫の固有色絵具があれば便利だろう。
紫色の意味ではいい方向のイメージとよくない方向のイメージと二面性がある。一般的にいいイメージは上品、高貴、優雅といったいいイメージであり、よくないイメージは霊的、下品などのイメージなどである。日本では紫は高貴なイメージの方が多いと思うが、それは聖徳太子が制定した冠位12階の位の最も高いのが「紫」だったからと言われている。
尚、日本の伝統色の名前はいっぱいある。例えば「江戸紫」「京紫」「藤紫」等々。
風景スケッチをして居て紫がよく出てくるのは藤、菖蒲、そして紫陽花が咲く頃であるが、空の色は夕景では赤紫系になる時がある。花を描く場合は紫系の花は結構あるので、今回は紫色のセネッティ(サイネリアの一種)と小町藤と呼ばれるハーデンベルギアの花を描きこのHPに掲載した。
尚、車では紫色は殆ど見ない。紫色の車は派手に見えるからだろう。でも今年はパープル系の色の車(コンパクトカー主体)が出るらしいが、はたして売れ行きはどうだろうか?
*左の花の作品は「セネッティ」。
紙の白地を生かし、花の輝き感と立体感を出した。
花言葉は「喜び」「いつも快活」
英語では"Always delightful"
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