(コラム61)

色の雑談 黄色<Yellow>

(五十嵐吉彦 2021年1月1日)

黄色(Yellow)は絵具・インク等色材の3原色の一つであり、基本色である。
イメージとしては彩度が高いレモンイエロー色(Lemon Yellow)は爽やかさのイメージを持つ。また明るい太陽の光は元気、活発のイメージがある。一方やや深い色味の黄(Cadmium YellowやGamboge Yellow)は 注意喚起の色でもある。街の中では信号や黄と黒の縞模様が工事現場の柵などにある黄色だ。即ち目立つ色である。赤のストップまではいかないが「危ないですよ」との注意喚起の色表示が黄色だ。
黄色の絵具の名前も色々ありメーカーによっても少し異なるが、基本はレモンイエロー、パーマネントイエロー、ガンボージイエロー程度だが、他にもカドミウムイエロー、オーレオリン(山吹色)、ゴールデンイエロー(黄金色)、オレンジ系が入ったディープなイエロー等色々ある。ただ小生は屋外で描くのが基本であり小型パレットには黄色系絵具は基本の3色程度しか入れていない。それにオレンジ色があればこれだけでも混色を駆使すれば充分な色表現が可能だ。

水彩風景スケッチでは黄色は秋の銀杏の木が代表選手だ。特に晩秋の黄色の銀杏は美しい。銀杏も最初の頃はグリーンも交じっているが、秋が深まるにつれ深みのあるイエローとなってくる。特に太陽の光に輝く銀杏の木の明るい所はイエローであり、中間はやや暖かい黄色、それにディープなイエロー、そして影のところはオレンジ系やイエローオーカー色も含む。またもみじ(紅葉)も綺麗で、銀杏(黄葉)と混在している場所が多いが、緑から黄色、オレンジ、赤と変わってゆく。この晩秋の自然風景は黄色〜橙・赤色が豊富で美しく感動が伴う。12月の寒い時期でも屋外で描きたいのはこの黄色の感動風景を描きたいからだ。 今回のトップページの2枚は今年の晩秋に現場で描いた黄色とオレンジ色が混ざった風景を掲載した。年賀状の軽井沢風景もそうである。

銀杏の輝き<横浜・日本大通り> 本年はコロナ禍ですべての事に黄色の注意信号を出しながらの生活となろう。しかしながら彩度の高いイエローの如く、明るく、元気に、爽やかに生きていこう。

左の作品は12月初旬に横浜日本大通りで銀杏が輝いている所を現場で描いた。F4サイズ。


戻る