(コラム59)
色の雑談<寒色と暖色> B赤・橙(Red&Orange)
(五十嵐吉彦 2020年12月1日)
暖色系は赤・橙色である。一般的に赤は信号、消防車、パトカーの赤色ランプなどで危険信号のイメージや、薔薇の花の如く情熱、愛などのイメージが伴う。一方橙(オレンジ)はやや暖かさや、やさしさのイメージになる。
風景スケッチに於いて赤の使用は少ない。それは風景スケッチの場合、風景そのものに赤色が少なく、前回述べた緑などが多いからだ。ただ秋になれば紅葉が始まりもみじなどは赤くなる。もみじが赤だからその赤をそのまま画面全面に赤色で塗ると派手になりすぎて落ち着かない。やはりややオレンジ系統の朱赤でまとめる方が目にも優しく無難である。
ヨーロッパの屋根の色はオレンジ系色が多い。地元のテラコッタと言う焼いた土の瓦が多い様だが真っ赤な屋根よりオレンジの屋根の方が風景に合い温かさを感じるからだと思う。
風景の中では晴天の夕景はオレンジに染まる暖色系の空になりとても美しく、夕景を描く事にもチャレンジしてみよう。
但、花には赤や橙色の綺麗な色が種々あるので、花自身の赤系色に近い固有色を使おう。
日本の国旗である日の丸の赤は赤の中でも何色であるかご存じであろうか?実は日の丸の色は法令では「日章は紅色(くれない色)」と決められているだけであり、何故か厳しい色指定がない。1964東京オリンピックの時に作られたポスターに使用された日の丸の色が紅色で標準の様だ。絵具の名前では朱赤、スカーレットレーキかライトレッドぐらいか。
神社の鳥居は赤と言うより朱赤に近い。古来より朱赤は火に通じる色で悪霊が入ってくるのを防ぐ力があったと言われている。赤い車は目立つので事故率は低いかもしれない。
今はコロナ禍で生活全般に注意せねばならず赤色の時だ。早く橙から黄色になり緑に戻ってほしいものだ。
*左の作品は庭に咲いた薔薇を描いた(F4)。
*このHPのトップページ掲載の3点はオレンジ系色の作品
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