(コラム57)

色の雑談<寒色と暖色> @青(blue)

(五十嵐吉彦 2020年10月1日)

前回のコラム56では色には色相、明度、彩度の3属性がありその組合せで色々な色表現が可能と述べた。これらの豊富な色の中には寒色系と暖色系の色彩がある。寒色系は青や緑の色であり、暖色系は赤とか橙である。今回は寒色の中の「青(blue)」について雑談的に述べてみよう。
基本色の「青」は光の3原色の1つである。ただ青の表現として青色、空色、紺色、藍色、濃青など巾広い。絵具の場合、小生がよく使う青色絵具は青(ウルトラマリンブルー)や紺(プルシャンブルー)であるが、単色使用よりも、緑などに加えて混色として使用するケースが殆どだ。
青(Blue)の色は一般的に空、海、水の色とも言う。そして青色には冷たい、爽やか、勤勉、知的なとのイメージがある、また青の言葉には青春、青二才等は若いイメージがある。
反面、ブルーな気分と言う如く、気分が優れない、憂鬱との反対の意味もある。まあ彩度の高い明るめの青(ブルー)は未熟というか、落ち着かない傾向の青だが、少し濃いブルーには落ち着くイメージがある為だと思う。また青は奥に後退して奥行き感がでる傾向だ。

尚、男の背広は濃紺が殆どである。これは暖色系の赤や、オレンジ色の服を着ていたら目立ちすぎて職場が落ち着かない為と思うが、青色の中でも濃紺色にはやはり知的、勤勉等のイメージがあるからだろう。この為か昔から学生の濃紺の服はネイビーブルーである。そのネイビーブルー(Navyblue)の名前は昔の英国海軍の服装からきている様だ。大学の校旗の色は色々あるが、東の東大は淡青であり、西の京大は濃青であり共にブルー系である。私立では東の慶応大は濃紺とエンジ色。西の関西学院大は濃紺と白であり共に濃紺が基本である(校章の色は共に黄色)。
おもしろいのは信号の青はブルーなのに、英語ではグリーンと言う。青葉も英語ではグリーンともいう。ちょっと青と緑の曖昧さの所もある。寒色系の奥深い青を使いこなそう。


油壷マリーナ<神奈川>左の作品:油壷マリーナ<神奈川> ブルー系でヨットと水の映りを主体とし静かで輝いているマリーナを描いた。―――――――――――  尚、今月のトップページ作品の3点は寒色のブルー系作品を選んでみた。


戻る