( コ ラ ム 37 )

風景スケッチは描く程楽しい(1)

<現場で描く枚数を増やそう>

五十嵐 吉彦(2016.9.1)

 今年も8月が終わり、風景スケッチのベストシーズンの秋に入った。 屋外で描く風景スケッチのシーズンは主として春秋であるが、夏も冬も四季を通じて描けるのが楽しい。小生は本年8月まで例年になく海外スケッチや、国内では郊外や遠方に出かけて描いた回数が多かった。この為、水彩スケッチの主役と言うべき風景スケッチの楽しさ、奥の深さ、そしてその素晴らしさについてもう一度述べてみよう。

 水彩スケッチはペン彩スケッチも含めて、風景スケッチが主体であるが、現場で描くこの風景スケッチ画は簡単そうだが、描き続け、深めていくと実に奥が深い。何と言っても現場で、スピーディに描き、仕上げるのが基本であるからだ。 もちろん水彩スケッチの対象には風景だけではなく、花、静物、人物等あるが、風景ス ケッチ画には変化、バリエーションがありテーマが豊富でありスケッチ画の主流である。 対象も西洋建築、和風建築、水辺、山、自然、街角等、それが国内・海外、季節の変 化、天候、時間変化等の組合せで無限となり、幅広い風景スケッチに勝るものはない。

 小生の場合、風景スケッチは日常、東京・横浜で描く場合に加えて、ちょっと郊外 国内の郊外や地方、また海外旅行に出かけて新しい雰囲気の中でスケッチするのは変化もあり大変楽しく、感動が伴う。 小生はこの5年間は年平均で約400枚描いている。これだけ描いていると、描く対象物も更によく見えてくる。またSpeedyに描くことも、ちょっと丁寧に描くことも、また選択と集中も出来る様になってくる。もちろん構図の変化、色彩の変化も楽しみで、鑑賞眼も上がってくる。でもまだまだ修行せねばと思って描いている毎日である。

 生徒の皆様には枚数を描けば向上すると言っているが、当然乍ら、各自ご自分の時間が許す範囲で描けばよい。ただ各自の水彩スケッチを描く目的に応じて描く枚数を決めればよいであろう。趣味の方でもいずれは画集を出したり、個展をしたりしようとの目的を持っている方は描く枚数も多くしよう。ただ、各自種々のご事情もあり、限られた時間の中で、どれだけ風景スケッチに時間が割けるかが課題であろうが、出来るだけウエイト上げ、現場で描く枚数を多くしよう。現場で描く枚数を増やせば、経験の積み重ねで、スキルの向上につながるであろう。
 向上すればまた水彩スケッチが楽しくなってくる。       <続く>

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