( コ ラ ム 21 )

 「スケッチで元気中高年を続けよう」

五十嵐 吉彦(2010.4.21)

 日本の中高年比率は上がりつつあり、現在では65歳以上の年齢の方が全人口に占める割合は2009年で23%となり、もうすぐ4人に1人は中高年となる。65歳になった方が、その後どれだけ生きられるかと言うのを平均余命と言うが、1950年(昭25)で男性の平均余命は10.16年、即ち75.16才までであったのが、2008年での平均余命は18.6年、即ち83.6才まで長生きする様になった。女性は1950年で平均余命が13.36年で78.36才までであったのが、2008年では平均余命23.64年となり88.64才まで長生きする様になった。この様に統計では65歳に達した方は平均でも、あと20年から25年は生きるのである。この間、どう生きるかが大切であるが、この中高年層が元気に生き生きと過ごさないといけない、即ち趣味を持ち、健康で、自立心を持ち、心豊かに生涯を送れば、自分自身にも、家族にも、国にとっても大変幸せなのである。(平均余命は厚生労働省資料)

 小生関連の水彩スケッチ画教室の受講生は、大体50才代〜80才代までと幅が広いが、皆元気でスケッチを生き生きと描いている。そして、何もかも忘れ夢中になって描いている時が至福の時であると私はいつも言っている。もちろん、描き続けることで、鑑賞眼もあがり、自分の作品のレベルも上がってくる。
 風景スケッチで、歴史建物や自然など、構図を考え、ある程度描く基本が身につき描ける様になれば、次のステップは少し構図を工夫し、彩色に工夫し、少しづつステップアップし芸術性を出して行こう。同じ場所に描きに行っても、左右斜めから、春夏秋冬、午前、午後の光、等多くの違った構図や雰囲気で描ける。だから、スケッチと言えども奥が深く、今でも飽きる事がない。そして、継続していれば水彩スケッチの、奥の深さが分かり、更に面白くなってくる。

 私が講師として指導させて頂いているグループの中で、ユニークなグループとして神奈川で活動している水彩スケッチ田園都市「淡水会」がある。この会は男性ばかりの「じゃお クラブ(おやじの逆さま読み)」の中の水彩スケッチグループであり、皆さま大変熱心で楽しく描いている。講師をするに至ったのは私が2001年「趣味をもつことの大切さ<水彩スケッチを通じて健康生きがい>」と題して「じゃおクラブ」に講演に行き、講演が終わった後、代表の森氏と今村氏からスケッチの会を創るから是非講師にと熱心に説得され現在に至っている。この会はもちろん中高年の男性ばかりで、企業出身者が多いだけに、展覧会開催の時は企業の時の如く、プロジェクトチームが誕生し、準備が計画通りに進み、展覧会開催中は多方面から幅広く多くのお客が来られ、楽しく、生き生きと交流を図っている。このような元気な中高年の方々の姿を拝見して、講師として大変うれしく思っており、これからの田園都市「淡水会」の皆様の成長も楽しみである。

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