( コ ラ ム 15 )

「一隅を照らす」2

五十嵐 吉彦(2009.5.24)

コラム14にて「一隅を照らす」を題名に書いたが少し補足説明を致します。
この「一隅を照らす」を小生なりにもっと解り易く言えば、会社で言えば与えられた ポジションで最善をつくす事、即ちPostにBestと言えます。また、個人ならば自分自身に最善をつくすことだと思います。個人の自由業、即ち小生も含め画家、写真家、書家などの芸術家など専門職がそうです。また、何か一つの事に打ち込み、その成果を発揮してゆく「選択と集中」の事とも言えるでしょう。小生の場合は若い時代に体験してきた「油絵」や大きな「水彩画(当時は不透明水彩とアクリル)」に加え、「写真」も継続しながら、更に「透明水彩画」や「水彩スケッチ画」また「ゴルフ」なども行ってきたので多方面に人生を楽しむ方法もありました。しかし、この様にすれば多方面で楽しむことは出来ますが、時間と力が分散し、総花的になってそれぞれの分野で専門的、また一流になるには至らないと思いました。もちろん人それぞれの考え方があり、多くの事を十分こなせる方々も多いと思いますが、小生の定年後の生き方は前述の如く 「水彩スケッチ画」を「選択」し、それに「集中」し専門的に行う道をとりました。
それは、水彩画やスケッチ画を描きたい多くの方々、特に中高年の方々が健康で生きがいある生活をして頂く為に小生自身に出来る事として、分かり易く、簡便で、しかも奥が深い、水彩スケッチ分野に集中し、そこを広めてゆくことで「一隅を照らし」、結果的に健康で生きがいある方々を増やしてゆく道を選択したのです。水彩スケッチは終わりがなく、生涯描けます。小生自身は水彩画家であり講師ですが、今でも修業の身であり研究中の身であり、皆様と共に描いています。

 今、小生のこの考え方に賛同して頂ける方々がこの分野に大勢参加して頂いていることは大変うれしく感謝しています。水彩スケッチ画を描く方々は風景でも静物でも対象物をよく観察し、スケッチし、透明水彩で描く、そのコンセプトの中で自由に描いた各自分の作品を発表されています。例えがよくないかも知れませんが、神が与えた人間の顔は目や鼻や口の位置が大体きまっている。しかし殆ど同じ顔はなく皆違う顔・表情をもっている。私が提唱する水彩スケッチ画のコンセプトが顔とすれば、顔の形(サイズ)は似てはいるがテーマも豊富、描き方も淡彩、ペン彩、水彩各スケッチと巾広くいろいろな顔・表情があり1人1人が異なり、十分個性が発揮できていると思っています。限られた人生「選択と集中」で水彩スケッチに絞り、「継続は力」により経験を重ねてゆく。そして生涯アマチュアで楽しむ方、セミプロ(アドアマ)で楽しむ方、また講師として活動する方、それぞれの道で一隅を照らしてゆく。しかし共通点は何もかも忘れて描いている時が至福の時であり、健康・生きがいの源であり、その積み重ねの中で自分なりに向上し、キラリと光る個性が出てくるのです。この「水彩スケッチ画」という一隅を皆さんのキラリとした光と一緒に明るく照らし続けていきたく思います。

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