( コ ラ ム 10 )

「 年 1 回のグループ展は大切 」

五十嵐 吉彦(2008.05.01)

   このコラムを書くのも暫くご無沙汰しました。 1月から4月まで五十嵐教室、水陽グループ関連他の各グループ展が続いた事や、私自身のスケッチ旅行、又新しい期の4月期を迎えるに当たってのカリキュラム作り等種々の所用が連続したためです。

   五十嵐教室関連グループの年1回の成果発表展は毎年1月〜4月の間に行っています。このグループ展も第8回展のグループもあれば、第1回展のグループもあります。
   私は常々年1回のグループ展への参加と発表は大切と会員の皆様に言っています。今回の各グループ展も各々が盛況で入場者が300名〜1800名とグループの経験や規模によって巾がありますが、何よりも大切なのは会員の皆様が協力して開催した努力と、それに伴って家族や友人やスケッチファンの方々から頂く鑑賞の言葉(甘い言葉も厳しい言葉も含め)や、また皆様との交流が図れることと思っています。更には毎年学校や会社同窓の方々が展覧会場で集合されて作品鑑賞の後に同窓会をされているのも年1回の展覧会のすばらしい効用でしょう。尚、会員にとっては自分が所属する以外のグループ展に行き鑑賞することはご自身の鑑賞眼を向上させ、それが自分の作品の向上に結び付ける役割に繋がりますので出来るだけ仲間の展覧会に出かけ鑑賞眼を養いましょう。

   五十嵐教室の場合、冬の寒い間は屋外で描かず室内で花や静物を描き、水彩スケッチの基礎勉強をし、そして展覧会をする期間としています。その展覧会が終わり、4月・5月の新緑の時期からまた来年の展覧会に向けて、楽しみながらも頑張って描いていこうという目標を持ち、そしてスタートして行くその姿勢・意欲がよいと思っています。
   年1回の発表展は年輪の如く1年毎、即ち人生の節目毎の作品発表でありますので、そこに展示された作品は毎月の講座で描いた作品等、また国内や海外へのスケッチ旅行で描いた作品、自主勉強で描いた作品、いずれも人生の貴重なヒトコマに描いたものであり、出来如何に関わらず一生の宝物の展示であります。

   この間スケッチを始めた方から、どれくらいの期間をやれば上手になるかとの質問がありましたので、私は「能力の差は少ないが、経験と努力の差は大きい」と言い、10年を目標として最低5年は継続する必要があると言いました。60才定年で始められた方が10年描いてもまだ70才であり、今ではまだまだ若く、水彩スケッチは生涯描けるので90才まで描く事を目標にすれば、70才になってからもあと20年は描けます。
   しかし、絵を描き続けることは、技量の向上だけが目的ではなく、その間自然や文化遺産等描く対象に感動し、その感動を絵に描き、何もかも忘れて絵を描いて集中していることが最も貴重なのです。もちろん絵の向上も大切であり、その向上は継続に伴う経験から生れ出るものです。その意味でも年1回のグループ展は大切と思っています。

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